2019/12/08

ベトナム株配当利回りランキング【2019年12月】







■ベトナム株配当利回りランキング【2019年12月】




こんにちは、うみがめベトナム株調査部です。ツイッターにて更新をお知らせしますので、是非フォローお願いします:

年末が近づき少し時間が出来る方もいるのではないでしょうか。今回は来年に投資するベトナム株の候補を探す意味でも、ベトナム株の高配当利回り株のスクリーニングを行いたいと思います。

私の学生時代を含め日本株投資歴10年程度の経験や、ベトナム株を過去1年調べ続けて学んだ点を踏まえて、有望そうな銘柄が残る様にスクリーニングしました。


以下が注意事項です。

*スクリーニングした銘柄への投資を推奨しているのではなく、1次スクリーニングとして活用していただくイメージです。色々な銘柄を発見する「きっかけ」になればと思います。最終の投資銘柄や投資決定はご自身の判断で、自己責任で行ってください。

*データはInvesting.comのデータに基づいています。データの完全な正確性は保証できません。異なっていた場合にも責任は取れませんのでご留意ください。



■スクリーニングの条件(配当利回りランキング)




ここで今回のスクリーニングの条件を紹介していきたいと思います。


✔︎株価の過去1年のパフォーマンスがマイナスではない

→JTやキヤノンの様な株価が下落したから配当利回りが高くなった、というパターンの銘柄を排除するためです


✔︎配当性向70%以下

→配当性向が100%近い銘柄は、無理して配当をしている結果配当利回りが高い水準にあります。これは減配リスクが高く、増配の可能性が低いため、望ましくないです。
今回、配当性向の上限は70%に設定しました。実際に買うのは仮に利益が半分になってもタコ配にならない、50%以下が1つの目線だと思っています。


✔︎営業利益率5%以上

→まず赤字企業は問答無用で排除します。利益率は低すぎず、あまりにも高すぎず(持続性がある場合は別)が理想で、10%以上が自分の目線ですが、売上成長率や先行投資の規模次第でもあり、売上グロースがある銘柄も含めたいので、ここでは幅を持たせて下限を5%と設定しています。


✔︎過去5年売上成長率(年平均)が0%以上

→斜陽産業にある企業、もしくはシェアを継続的に失っている可能性がある企業を排除するためです。配当利回りが高くなりがちなコモディティ系銘柄が脱落することが多いです。


✔︎配当成長率(過去1年)が0%以上

→減配は業績が厳しいことを示唆する点に加えて、経営陣が安定配当を重視しない点を示しています。一概に悪いとはいえませんが、今回は配当利回りランキングなので、少なくとも直近減配した企業を排除したいと思います。


✔︎時価総額が5000億ドン(20億円強)以上

→地味に非常に重要なスクリーニングです。ベトナム株が大きく上昇するには外国人投資家の存在が重要ですが、余りにスモールキャップだと相手にされない可能性があります。5000億ドンは私が投資している銘柄の最低の時価総額ですが、なるべくラージキャップがいいと思います。


✔︎配当利回り5%以上

→今回は、5%を区切りとしました。5%は日本株でも有数の高利回りと考えられる水準です。


以上の条件でスクリーニングします。株価の基準は12月6日終値です。配当や利益率の数字は実績ベースで、原則前期もしくは過去12ヶ月(過去四半期の合計)の数字を使用しております。必ずしも数字が全て正確とは限らないので、スクリーニング結果を1つの切り口に、ご自分でダブルチェックして頂ければと思います。



■スクリーニング結果:配当利回り10%に近い銘柄が続出




スクリーニングの結果は以下の表の通りです。

左から①企業名、②ティッカー、③セクター、④過去1年の株価変動、⑤配当利回り、⑥営業利益率、⑦配当性向となっています。



スクリーニング後のベトナム高配当株ランキング(Investing.comより)

セクターを見ますと公益事業、資本財/工業製品、サービス、交通(運輸)セクターが多いですね。上の3社は配当利回りが10%以上、株価も20-50%伸びています。

その他配当利回り10%に近い銘柄がごろごろあります。



■個別企業についての概要



ランキングに入った企業の名前、ティッカー、配当利回りを見ていきます。企業概要やその他情報も随時更新していきたいと思います。会社名や事業概要はViet-kabu.comを参考にしております。

最初は配当利回り9%〜10%(少数第一位は切り捨て)の企業の概要を記していきます。


・Sai Gon Mien Trung Beer/サイゴンビール中部 (SMB、配当利回り10%)







事業概要:ビール(サイゴンラガー)、酒、アルコール飲料の生産・販売・輸入出
株価:過去1年で20%以上上昇しています
企業ウェブサイト:https://biasaigonmt.com/
SBI証券での取り扱い:19年12月時点では取り扱いがありませんでした
サイゴンビール(Sai Gon Beer - Alcohol - Beverage Joint Stock Corporation)が30%程度保有しています。

18年8月頃に上場して以来株価は基本的に好調です。







直近の四半期業績である19年7-9月期は前年比で減収でした。一方で粗利率は前年比で向上しており、粗利は前年比で増加しました。






私の印象としては、配当利回りは高いけど、グロースもあまり高くなさそうなので、配当投資家でない限りはあえて投資をする必要はないのではと感じました。あくまで第一印象です。



・Tien Giang Investment Construction/ティエンザン建設投資 (THG、配当利回り10%)







事業概要:水利工事、工場・倉庫等の建設工事、一般工事・道路工事
株価:過去1年で40%弱上昇しています。
企業ウェブサイト:http://ticco.com.vn/
SBI証券での取り扱い:19年12月時点ではありませんでした

建設関連需要は当面強そうなイメージがあります。

上場来の株価は以下の通りです。ベトナム株式市場より少し先行して16年〜17年にピークアウトしている様に見えます。18年の年末からは素晴らしい上昇率です。

非常に面白そうな銘柄ですが、SBI証券にて取り扱いがないため、ここまでにします。調べた方がいましたら是非ご感想教えてください。










・Pha Lai Thermal Power JSC/ファーライ火力発電 (PPC、配当利回り10%)








事業概要:電力の生産・販売。火力発電所の管理・運営・保守
株価:過去1年で40%以上増加
企業ウェブサイト:http://www.ppc.evn.vn/
SBI証券での取り扱い:19年12月時点であります

ファーライ火力電力に関する過去の紹介記事はこちらへどうぞ

今回、多くの電力銘柄がライクインしています。



・VIGLACERAHALO /ビグラセラ・ハロンタイル (VHL、配当利回り10%)







事業概要:ブリックやタイルの生産、販売。建設資材の生産技術のコンサルティング、設計、技術移転
株価:過去1年で横ばい
企業ウェブサイトhttp://viglacerahalong.vn/en.html
SBI証券での取り扱い:19年12月時点であります

ブリックやタイルの需要は伸びそうですが、長期的な競争力やマージンの安定性がよくわからないです。

業績推移:売上は17年まで堅調に伸びてきて18年で一服しました。足元(19年7-9月)は増収に転換しており、好転の兆しはありそうです。









バリュエーション:各種のデータを見ると19年12月時点で、PER4~5倍程度、PBR1.0倍付近です。ぱっと見、特別利益等はなさそうなので、本当にPER4-5倍だと少し安すぎる様に思えます。19年12月時点の自分の気分としてはバリューよりはグロースを買いたいですが、一応この銘柄は要チェック銘柄として監視対象にしても良さそうです。



・VPID/ビンフックインフラ開発(IDV、配当利回り9%)



事業概要:工業、交通、潅漑、一般施設の建設。工業団地・都市区・住宅地のインフラ建設、工業廃水・廃棄物の処理
株価:過去1年で50%以上増加
SBI証券での取り扱い:19年12月時点ではありませんでした

事業概要は非常に面白い会社でしたが、上記のTHGと同じくSBI証券での取り扱いがありませんでした。残念・・・



・Gia Lai Hydropower JSC GHC 9%


ザーライ水力発電
電力生産、水力発電所向け投資、水力発電所建設
株価は過去1年で微増
SBI証券での取り扱い:19年12月時点ではありませんでした


9%以上の会社は以上の通りです。残りの会社の企業名、配当利回り、事業概要も以下に載せておきます。この中にも当然面白い会社があるかもしれないので、また追って少しづつ情報を加えていきたいと思います。



・Nam Mu Hydropower JSC/ナムー水力発電 (HJS、配当利回り8%)


事業概要:水力発電所プロジェクトへの投資、電力施設の建設・コンサルティング、電力の生産・販売
株価は過去1年で横ばいです
SBI証券での取り扱い:19年12月時点ではあります


・Cat Lai Port JSC CLL 8%

カットライ港:港湾サービスや荷役サービスの提供
SBI証券での取り扱い:19年12月時点ではありませんでした



・Song Ba JSC SBA 8%

ソンバ水力発電:水力発電所の建設投資、発電・電力販売
SBI証券での取り扱い:19年12月時点ではありませんでした



・Thac Mo Hydropower JSC TMP 8%

タックモ水力発電:水力発電事業、水力発電建設・メンテナンス等
SBI証券での取り扱い:19年12月時点ではありませんでした



・Western Sai Gon Beer JSC WSB 8%

サイゴンビール西部:アルコール・非アルコール飲料の製造販売
SBI証券での取り扱い:19年12月時点ではありませんでした



・THANGLONG INVE TIG/タンロン投資グループ(TIG、配当利回り7%)


事業概要:商業広告サービス、文化スポーツイベント・展覧会・文化芸術演奏会の開催、一般・交通・工業・インフラなど建設、不動産経営
株価:過去1年で160%以上上昇
SBI証券での取り扱い:19年12月時点ではあります



・Tu Liem Urban Development JSC NTL 6%

トゥリエム都市開発:不動産業。新都市区、住宅地区、工業団地の各案件への投資
SBI証券での取り扱い:19年12月時点ではあります


・Century Synthetic Fiber Corp STK 6%

センチュリー合成繊維:原糸生産販売



・Becamex Infrastructure Development IJC 6%

技術インフラ開発:不動産開発、インフラ整備・通行料金徴収等
SBI証券での取り扱い:19年12月時点ではあります


・PetroVietnam Transportation Corp PVT 5%

ペトロベトナム運輸:石油及び石油化学製品輸送、海上船舶リース
SBI証券での取り扱い:19年12月時点ではあります


・Tan Cang Logistics and Stevedoring TCL 5%

タンカン倉庫・運輸(タンカンロジスティック):倉庫荷役業、ロジスティックス業務、海運代理店。

2019年12月現在、うみがめが投資しているベトナム株でもあります。
タンカンロジの紹介記事はこちらです→「タンカンロジスティック(TCL):高配当利回り、最強のバリュー銘柄



・Advanced Compound Stone JSC VCS 5%

ビコストーン:建設資材の生産・販売、石材開発
SBI証券での取り扱い:19年12月時点ではあります


ベトナム含むASEANの有力企業を学ぶのには「ASEAN企業地図」がオススメです。







まずはベトナムの基礎知識を簡単にキャッチアップしたい方は以下がおすすめです。







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