2018/08/15

投資調査:マネックス:価値を評価をしてみる(バリュエーション)

前回はマネックスの業績を考えました。(前回記事)
今回はバリュエーションというか、うみがめなりの評価の仕方を考えてみました。
この記事のポイントは以下の通りです。


  • PERでみるとクリプト事業の期待がかなり織り込まれた水準(もしくは今期減益と市場はみていない)
  • 株主還元ベースでみると、それだけでは買う理由にはならないですが、長期保有する上では心の支えになりえるものです。
  • 純資産ベースで見て、割高感はないが、ここからのアップサイドはやはり投資事業やクリプトになる(他はあまりなさそう)


ちなみにあくまでうみがめの予想なので間違っている可能性がある点を留意してください。



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(前回記事)同様、ベースラインとして今期税前利益44億円と想定し、税率30%前提で考えると今期純利益は31億円です。

PER:クリプト事業の期待がかなり織り込まれた水準(もしくは今期減益と市場はみていない)


  • 今8/15前場引け後現在の時価総額は1,343億円ですので、PERは43倍になります。もちろんクリプト事業や投資収益が乗る場合は業績目線が引きあがります。例えば税前利益60億円ならPER32倍、前期と同じ税前利益の水準(86億円)なら22倍です。



  • この数字を同業ネット証券比較、対TOPIX比較、対マネックスの過去比較をします。いずれの指標からも割高に感じると思います。逆にいうとクリプト事業者としての期待値が株価水準を引き上げているといえます。もしくは市場は今期減益をみていない可能性があります。



  • うみがめビュー:現状のクリプト市場の落ち着いた状況を考えると、正直怖くなります。ただポテンシャルがないわけではないので、難しいところです。



配当利回り・還元ベースの評価:秀でてはないが、心の支えにはなる


  • またマネックスは総還元性向75%の方針です。よって純利益の75%が配当もしくは自社株買いにより株主に還元されます。純利益31億円であれば、単純計算で総還元利回り(時価総額に対する、配当と自社株買いの総額の利回り)は1.7%になります。また仮に同社が減配をしない場合、昨年は一株あたり10円の配当であったので、8/15前場終値ベースでは配当利回り2%です。




  • いずれにせよ、還元という面では他のネット証券株や金融株と比較して少し劣る印象ですが、税前利益44億円をベースとしているのでもちろんアップサイドもあります。少なくともこれくらいは期待できるだろう、といううみがめビューです。ちなみに実績の配当利回りベースだと過去水準と比較しても低いです。



  • うみがめビュー:1.7%-2%という利回り水準は、これだけでは買う理由にはならないですが、長期保有(例えばクリプトの未来に強気である等)する上では心の支えになりえるものです。






純資産ベース:アップサイドは投資事業やクリプト



  • 最後にPBRです。本来はROE等のリターンと合わせてみるものです。PBRは過去比で水準は切り上がっています。ROEの方向感としてはシステム投資の費用減によるマージンの改善や米国事業の損益改善を考えると、過去より高い水準で安定的に推移すると考えられます。



  • ただし日本地域の収益性が上昇するシナリオは1)株式市場が勢いづく、2)投資事業が利益を上げる、程度でして競争環境(DMMの株取引への参入やフィンテックの浸透)は厳しくなる方向感です。



  • うみがめビュー:オンライン株式ブローカーはジリ貧なので、クリプトや投資事業を上手く成功させて欲しいです。








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